ボーイスカウトとは
スカウト運動について

スカウト(scout)は自ら率先して道を切りひらいていく人を意味し、今日の社会は数多くのスカウトたちによって築かれてきたといえるでしょう。
スカウト運動は、1908年に当時のイギリス陸軍中将であったロバート・ベーデン=パウエル卿によって出版された、少年向けの斥候・偵察術を記した本「スカウティングフォアボーイズ」と1907年にその本のために行ったキャンプを始まりとしており、彼の"スカウト教育法”に基づいて若者の肉体的、精神的なスキルの向上の手助けを目的とする教育運動です。
スカウト教育法とは、キャンプ、ハイキング、工作、スポーツなどの実践的アウトドア活動に重きを置き、スカウト達が無意識のうちに自分たちで問題解決を行えるようなプログラムを組むことで独立心やリーダーシップ、道徳を学ぶことができるというものです。ここでは、この教育法の柱についていくつかまとめていきたいと思います。
↑創始者 ベーデン=パウエル卿
部門ついて

スカウトは学年ごとに部門分けされており、それぞれの段階に応じた活動プログラムが行われます。対象学年に達すると次の部門に上進し、さらに発展したプログラムに参加するようになります。また、活動の自由度も上がります。部門区分の年齢は各国の文化などによって異なりますが、日本ではこのように区分されています。
ビーバースカウト(BVS) | 小学校1年生、2年生 | |
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カブスカウト(CS) | うさぎ | 小学校3年生 |
しか | 小学校4年生 | |
くま | 小学校5年生 | |
ボーイスカウト(BS) | 小学校6年生~中学校3年生 | |
ベンチャースカウト(VS) | 高校1年生~3年生 | |
ローバースカウト(RS) | 高校卒業~25歳 |
スカウトの「3つのちかい」

スカウト運動には、その精神と生活の規範となる、3つの「ちかい」と8つの「おきて」があり、これらを守り、実践することによって自分の人生や生活、ひいては社会をより良いものに築くことを目標とします。
スカウトのちかい (The Scout Promise) 私は、名誉にかけて、次の3条の実行をちかいます。 1.神(仏)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。 1.いつも、他の人々をたすけます。 1.からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。
ボーイスカウトの名誉とは、他の人に信用されることであり、信用されるために必要な「おきて」を守るという約束、また心構えがこの「ちかい」です。
スカウトの「8つのおきて」

8つの「おきて」はスカウトの行動のものさしとして表され、スカウト活動や普段の生活で心がけるべきであることです。
スカウトのおきて (The Scout Law) 1.スカウトは誠実である 2.スカウトは友情にあつい 3.スカウトは礼儀正しい 4.スカウトは親切である 5.スカウトは快活である 6.スカウトは質素である 7.スカウトは勇敢である 8.スカウトは感謝の心をもつ
それぞれのおきてに意味があり、スカウトは努力を積み重ねることで他の人に信用される人間になることができます。
制服について

ボーイスカウトといえば、図のような制服が思いつく方も多いと思います。スカウト活動における本来の制服は、カーキ色のボタンシャツ、半ズボン、キャンペーンハットにネッカチーフとされており、スマートさと実用性を兼ね備えたデザインになっていますが、時代とともに少しずつリニューアルされ、各隊でもデザインは大きく異なっています。
また、ベーデン=パウエル卿は制服について「国内のあらゆる社会的背景の違いを隠し平等感を形成する。しかし、もっと重要なのは国、人種、信仰の違いを隠し、互いに大きなひとつの兄弟愛をもつ仲間であると思わせることである。」と述べており、実用性より大きな意味を持っているといえます。